お試し転職とは?メリットやデメリット、サービス提供事業者も紹介

副業・複業転職・就職 最終更新日:

おためし転職とは?メリットやデメリット、サービス提供事業者も紹介

ここ数年で副業の裾野が広がる中で、その延長として転職を行う「お試し転職」という新しい転職の仕方が注目を浴びるようになっています。

この記事では「お試し転職」とは何か、そのメリット、具体的な求人の例などをご紹介します。

目次

お試し転職とは?

近年、企業での副業解禁や外部人材の登用が推進される中で、副業人材を活用する企業が増えています。さらに、そこでの接点が正社員としての転職に発展するケースも見られます。

弊社が「副業からの転職実態調査」と題して実施したオンラインアンケート調査の結果では、2018年以降に現在の職場に転職をした調査対象者のうち、24%が転職前の時点で、インターンや副業、フリーランスなどを通じて転職先での仕事に従事したことがあったと回答しました。副業として関わっていたのは調査対象の4%にのぼりました。 

転職前に転職先での副業経験があったのは転職社の4%

このような形でまずはその企業で業務委託、副業をして相性を見極めた上で、転職をするという転職方法が「お試し転職」と言われるようになりました。

紹介予定派遣との違い

お試し転職と似た転職方法として紹介予定派遣というものがあります。

紹介予定派遣はまず派遣社員として一定期間を働いた後に、正社員へと転換する仕組みです。

考え方はお試し転職と似ていますが、紹介予定派遣は、派遣社員として働く必要があるため、派遣会社との雇用契約を結ぶ必要があります。また平日日中を通して正社員同様に働くのが一般的ですので、今の仕事をしながらお試しとして使うことができるような仕組みではありません。

お試し転職のメリットとは?

企業にとってのお試し転職のメリット

企業にとってのお試し転職のメリット

フィットの見極め精度を高められる

一番のメリットは正社員としての正式な採用をする前に相性を確認できるという点です。

どんなに事前に書類選考や面接を行なっても実際に一緒に働いてみないと、本当にその人が自社にフィットしているのかどうか、本当に活躍できるのかどうかはわかりません。その意味で正式な採用の前に一緒に働くことができるのは大きなメリットと言えます。

採用候補者の母集団を広げられる

また、企業の採用という観点では候補者の母集団を広げることができるのもメリットと言えます。先ほどあげた弊社の調査によると副業から転職を実際に行った回答者のうち、最初から転職先として興味があったと答えたのは2割未満にとどまりました。

最初から転職を意図して副業を開始した回答者は2割未満

つまり、正社員採用の候補者としてはリーチできなかった人たちも副業を介することで候補者に取り込むことができるということです。

就職後の満足度向上につながる

そして、もう一つ大きなメリットは転職者の満足度が上がり、早期離職を回避できるという点です。こちらも同じ調査からの抜粋ですが、転職前に就業先で仕事をしていた人のほうが、転職後の職場への満足度が高いという結果が得られました。

副業経由の転職社は転職後の満足度が高い傾向

転職前に副業などを通して、一緒に働いておくことでミスマッチが回避でき、社員の満足度があがりやすいということだと考えられます。

求職者にとってのお試し転職のメリット

フィットの確認・ギャップの回避

求職者も企業と同様に、転職を決める前に実際に働く機会を得ることで、就職前後のギャップを回避することはお試し転職のメリットと言えます。

面接の時は人事担当や社長の印象が良かったけど、実際入ってみたら…という話は決して稀なことではありません。すぐにまた次の職場に転職をしてしまうと、職歴の見栄えも悪くなってしまうので、いやいやそこで働き続けるというのは避けたい事態です。そのためにもお試し転職は有効な手段と言えます。

正当な評価のための材料を提供できる

また、実際に一緒に働くことで入社前から正当な評価を受けることができるというのもメリットの一つです。通常の転職では、書類と面接による評価だけで、入社後の年収やポジションが決められてしまいますが、選考の前に副業で一緒に働くことできれば、本当の実力を踏まえて、選考や入社後の配属などについて相談を進めることができます。

お試し転職のデメリットや注意点

企業にとってのお試し転職のデメリットや注意点

採用プロセスが長期化しやすい

お試し転職は通常の採用プロセスと比べると期間が長期化しやすいというのが注意をしておくべき点です。通常の選考プロセスに加えて、副業の期間が数週間から数ヶ月発生することになります。さらには、数ヶ月の副業の末、採用に至らないというケースも発生します。

時間をかけてでも本当にフィットする人を採用したいという企業であればそれでもOKかもしれませんが、すぐにでも正社員が必要という場合には最適な手法とは言えないかもしれません。

候補者の温度感がさまざま

お試し転職で応募をしてくる人の中には、本気で転職を見据えている人もいれば、副業をメインで考えていて転職意向はあまり高くないという人もいます。ゴールを採用と捉えているのか、採用はあくまで副産物的なものとしてとらえているのか、自社の温度感をあらかじめ候補者と擦り合わせておくことが重要です。

求職者にとってのお試し転職のデメリットや注意点

転職までのプロセスが長期化しやすい

企業側と同様ですが、副業からの転職を行う場合は当然通常の転職よりも時間がかかることになります。そのため、すぐにでも転職をしたいという人はお試し転職ではなく、通常の転職を考えた方が良いかもしれません。

転職に至るまでの負荷が大きい

お試し転職には時間がかかることに加えて、労力もかかります。通常の転職であれば書類と面談だけでプロセスが完了しますが、お試し転職の場合は実際の業務を伴います。しかも本業を行いながら、副業で働かなくてはいけません。副業が選考プロセスの一部だと考えると気を抜くことはできないため心身ともに負荷がかかる点は覚悟が必要です。

お試し転職の求人案件例

次に弊社が運営をするAnycrew上で実際に掲載をしたお試し転職求人をいくつかご紹介します。

脱炭素化プロジェクトの認証ソフトウェア開発会社 プロジェクトマネージャーを募集
外国人採用マッチングプラットフォーム マーケティング責任者募集
貸切バスマッチングプラットフォーム開発スタートアップCOO募集
新規事業部門で先端技術による産業用装置開発(AI実装)を行うエンジニア募集
世界有数のグローバルSaaSの国内販売事業責任者候補

お試し転職を提供するサービス

お試し転職を提供するサービス

Anycrew

anycrew

すでにご紹介をした通り弊社が運営するAnycrewでもお試し転職が可能な求人を掲載しています。もともとAnycrewはフリーランス・副業向けの業務委託案件のマッチングサービスですが、求人企業様からのご要望もあり、業務委託から正社員への転換が可能な案件も掲載するようになりました。

またCxOのような経営ポジションをまずは副業で募集し、相性次第では実際に経営幹部として参画いただく「副業CxO」という取り組みも行なっています。

substart

substart

UPPGO株式会社が運営するお試し転職のプラットフォームです。イシューという形で副業案件やお試し転職の案件が掲載されており、特にお試し転職の案件はエンジニア向けの案件が中心となっています。

Kasooku

kasooku

Kaookuは営業系の案件を中心とした副業プラットフォームで、2022年からユナイテッド株式会社傘下の事業となっています。Kasooku上で掲載されている副業案件の中に複業転職OKというラベルがついた案件があり、こちらがお試し転職可能な案件になります。

複業クラウド

複業クラウド

株式会社Anotherworksが運営する複業クラウドも、通常の複業案件に加えて、複業転職求人という名称で、お試し転職が可能な求人を掲載しています。

まとめ

副業を通じて相性や適性を確認し、正社員転職を行うという「お試し転職」が今少しずつ注目を集め始めています。

企業は候補者の働きぶりを踏まえて評価をすることができ、求職者は職場環境を経験し、評価を受ける機会を得ることができるなど、双方にとってのメリットが大きいアプローチだと考えられます。

ただし、採用期間が長くなるなど注意が必要な点もありますので、ご自身の今の状況を踏まえてうまく活用するようにしましょう。

Anycrewエージェントプラン

Anycrewはフリーランス・副業人材と企業のマッチングサービスです。「週1日から」「リモートOK」など柔軟な働き方が可能な案件を中心にフリーランス・副業案件をご紹介しています。

    Anycrewの特徴
  • 「週1日から」「リモートOK」など柔軟な働き方が可能な案件が中心
  • マーケティング、企画、事業開発、営業などビジネスサイドの案件が豊富
  • IT系スタートアップなど急成長企業での副業にチャレンジ可能

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この記事の監修者

Anycrew Blog 編集部

フリーランス・複業・副業など個人で働く方と企業のマッチングプラットフォームAnycrewを開発するエニィクルー株式会社のメンバーです。

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