「フリーランスを辞めて再就職しようと考えているが、難しいのだろうか」「フリーランスの再就職は難しいと聞くのだが、なぜ難しいのだろうか」と気になられているフリーランスの方もいらっしゃると思います。
フリーランスの再就職が難しいと言われる理由には、様々な要因がありますが、個人事業主に対するイメージが最も大きな課題となっています。
この記事では、フリーランスからの再就職を考えられている方に向けて、フリーランスの再就職が難しいと言われる理由と対策を解説します。
目次
フリーランスから再就職を求める人がいる理由4つ
そもそもなぜフリーランスから再就職を求める人が一定数いるのでしょうか。代表的な理由として、以下の4つが挙げられます。
安定した収入を得るため
フリーランスが廃業を考える理由の一つに、収入を安定させたいというニーズが挙げられます。正社員は労働契約法上の雇用保証があり、60歳で定年を迎えるまで安心して働くことができますが、フリーランスにはそのような保証がありません。フリーランスはプロジェクトベースや契約ベースで仕事を受けるため、安定した雇用保障もなく、収入も保証されてないのです。プロジェクトが終了し、次の仕事が確保できなければ収入は得られません。このような不安定さに耐え切れずに廃業する人も少なくないでしょう。
老後への経済的な不安
フリーランスが再就職を考える理由には、老後への経済的な不安も挙げられます。フリーランスは上記の取り収入が必ずしも安定しないことに加え、雇用主からの退職金支給などもありません。さらに年齢が高くなると参画できる業務委託案件が少なくなる傾向があります。正社員の場合、年齢と共に実務を担当するプレイヤーから、部下を管理監督するマネージャーとしての立場に移行するキャリアパスが存在します。一方で、業務委託の場合は、程度の差こそあれ、現場でのプレイヤーとしての役割が期待されます。プレイヤーには体力が必要であり、指示に対しても素直で柔軟に対応できる若手が委託先として選ばれやすくなります。こういった背景から、高齢になるに伴い案件も獲得しづらくなり、老後に不安を感じて、再就職を考えるフリーランスが存在します。
確定申告など税務から解放されるため
フリーランスが廃業を考える理由には、確定申告などの煩雑な税務作業から解放されたいという理由もあります。フリーランスは収入源が複数であることや、自身で収支を全て管理しなければならないため、税務作業が複雑になりがちです。確定申告をはじめとする税務作業でミスをすると、罰金や追加の税金支払いのリスクが生じる可能性もあります。このような税務処理から逃れて、自分の得意な業務に集中したいがゆえに、廃業してしまうフリーランスも存在します。
孤独から解放されるため
基本的にフリーランスは単独で仕事を進めることが多くなります。企業勤めのような面倒な人間関係が必要ないフリーランスの働き方は魅力にも見えますが、困ったときに相談できる上司や同僚がいないことや、仕事にまつわる悩みや喜びを共有できる仕事仲間がいないことにストレスを感じる方もいます。そういった人間関係を重視するタイプの方がフリーランスを辞めて再就職をもとめるケースもあります。
フリーランスが再就職で不利と言われる理由5つ
それでは次に、なぜフリーランスが再就職で不利と言われるのか、その理由として考えられることを5つ紹介します。
再離職する可能性が高いと思われている
フリーランスの再就職が不利な理由は、再離職の可能性が高いと採用担当者に判断されやすいためです。なぜなら、フリーランスはプロジェクトベースで仕事を受注し、限られた契約期間を終えると次のプロジェクト（発注主）へと移っていく働き方が一般的だからです。そのため、雇用主は一般的な会社員のように同じ会社に長く定着できるかどうかという点に不安をもつ可能性があります。
会社や上司の命令を素直に受け入れらるか不安がある
フリーランスの再就職が難しいと言われる理由の一つに、会社や上司の命令を素直に受け入れられるかどうか不安を感じるという理由があります。会社員は自身の判断より会社や上司の命令を優先しなくてはならない場面がどうしてもあります。一方で、フリーランスは独自の判断で仕事を進める必要があるため、その働き方が染みついてしまっていると、会社や上司の指示に素直に従えなくなってしまっているのではないかという懸念をもたれることがあります。
組織で働くことに不向きだと評価される
フリーランスの再就職が難しいと言われる理由の一つに、組織での働き方に向かないと判断される可能性があるという点も挙げられます。企業はそれぞれ独自の文化や価値観を持っており、社員はある程度はその文化や価値観を受け入れて、適合していく必要があります。また、会社という組織の中では、自分自身の考えだけで物事を進めるのではなく、上司や同僚とうまく折り合いをつけながら仕事を進める必要があります。
フリーランスからの転職者は、一人で働いていた期間が長いほど、上記のような組織への適合やチームワークに不向きだと判断されてしまう可能性があります。
事業に失敗しており能力が低いと評価される可能性がある
フリーランスの再就職の難しさの理由として、事業の失敗経験があることやそれにより能力不足と判断される可能性が挙げられます。事業の失敗経験がある場合、再就職先の採用担当者は能力やスキルに疑問を抱くことがあります。また、フリーランスの場合、一人で多くの異なる役割を担当することが多いため、経験が幅広すぎて、特定領域の深い専門知識が不足していると思われることもあるでしょう。
スキルに見合った待遇を用意できないと思われる
フリーランスの再就職が難しい理由の一つに、スキルに見合った待遇が用意できないと敬遠されることが挙げられます。なぜなら、フリーランスとして独立して仕事をしていた場合、額面だけをみると通常の給与よりも高い水準の報酬を得ている場合があります。
これはフリーランスとして仕事を受ける方が、企業に雇用されるよりも、報酬に市場価値が直接反映されやすいという点に加えて、
- 事業経費をそこから賄う必要がある
- 税金や社会保険を自身で支払う必要がある
- 解約のリスクがある
などの理由によるものです。
そのフリーランス水準での報酬と近い金額を給与として要求された場合、雇用主は給与面での合意を難しく感じることがあります。
フリーランスが再就職するためのポイント
このようにフリーランスの方は再就職時にネガティブな印象を持たれるケースもありますが、もちろんすべてのケースでネガティブな反応をされるわけではありません。むしろフリーランスで磨いたスキルや経験を活かして即戦力として歓迎されることも少なくないでしょう。
以下ではフリーランスの方がその経験を活かして再就職をするためのポイントを記載します。
フリーランス活動で得た成果を数字で伝える
フリーランスが再就職するための秘訣は、フリーランス活動で得た成果を数字で採用担当者にわかりやすく伝えることです。なぜなら、数字は客観的で具体的な情報を提供し、あなたの仕事への貢献を明確に示す手段となるからです。具体的な数字やデータを用いることで、成果や実績を説明しやすくなります。
不安視されがちなチームワークに関する具体的なエピソードを伝える
フリーランスのチームワークに関する具体的なエピソードを通じて、採用担当者の不安を解消しましょう。例えば、フリーランスとしてクライアントの正社員と協力してプロジェクトを進めた経験や、チームでの業務経験などでもよいでしょう。単独での仕事ではなく、協力して仕事を進めてきたことを伝えるようにしましょう。
職種問わず営業力をアピールする
フリーランスは自ら案件を獲得するために営業活動が必要となり、営業力が磨かれます。そのため、フリーランスの方が再就職を希望する場合、職種に関係なくその営業力をアピールしてもよいでしょう。営業は、課題解決能力、コミュニケーション能力、プロセス管理能力といった幅広い能力が求められ、それは他の職種の業務でも応用ができる能力だからです。
フリーランスについて理解がある転職エージェントを活用する
フリーランスが再就職するための秘訣として、フリーランスについての理解がある転職エージェントを活用するのがおすすめです。フリーランスの働き方や、フリーランスの市場価値について理解をしているエージェントであれば、その経験を理解した上で適した求人案件の提案や、企業への紹介を行ってもらえる可能性が高くなります。
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