

エニィクルー株式会社COO。
Yahoo! JAPANで事業企画や調査分析業務に従事。退職後MBA留学。在学中にZendesk Inc.の日本向けマーケティングを支援。帰国後App Annie Japanのマーケティングを統括。2017年8月にエニィクルー創業。同時にパラレルワーカーとして複数社のマーケティング活動を現在も支援中。
フリーランスや副業を始めたものの、「案件の探し方が分からない」「受注が増えない」などの悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。フリーランスや副業をするうえで「案件の獲得」は最重要課題です。
幸い、現在はフリーランスの仕事探しに役立つサービスが複数運営されています。それらのサービスの紹介も含め、この記事では、フリーランスや副業の案件を獲得するための方法やポイントを詳細に解説していきます。
目次
フリーランス・副業案件・仕事の探し方は大きく4種類

フリーランスや副業で案件を探す方法は、主に「仲介サービス経由」「人脈経由」「自身で営業」「インバウンドでの依頼獲得」の4つに分けられます。ここでは、各々の特徴と利用できるサービスなどを紹介します。
①仲介サービス経由

仲介サービスはさらに「クラウドソーシング」「フリーランス・副業案件のマッチングサービス」「エージェントサービス」「スキル販売サービス」などに分けられます。以下でそれぞれの特徴をみていきます。
クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングサービスは不特定多数の個人に対して、オンライン上で仕事を依頼・発注できるサービスです。
幅広い案件が掲載をされていますが、ジャンルはシステム開発、デザイン、記事執筆などのクリエイティブ系の案件や、スキルが必要ないタスクなどが多くなっています。また、比較的単価は低く、単発でおわる案件が多いのが特徴です。
大手のクラウドソーシングサービスは数社に限られます。それらのサービスには非常に多くのフリーランス・副業ワーカーの方が登録をされており、1案件に対する応募も多く競争率が高くなっています。そのため、定期的にチェックをして根気強く複数案件に応募する必要があります。さらに複数の候補者の中から選んでもらうために、プロフィールや応募文をしっかりと作り込むのもポイントです。
また、クラウドソーシングサービス内での評価や実績も重要となります。まずは簡単な案件で評価や実績を蓄積するという作戦も有効です。
フリーランス・副業案件のマッチングサービス
オンライン上で企業から案件を受注するという点で、上で挙げたようなクラウドソーシングサービスとの境界線は曖昧ですが、タイプの異なる第2世代的な案件マッチングサービスが昨今では増えています。
従来のクラウドソーシングサービスと異なる特徴としては、以下のような点があげられます。
- 発注側も受注側も社名や氏名を公開することで信頼性を担保している
- 比較的単価が高いエキスパート向けの案件が多い
- 請負型の単発案件よりも準委任型の継続的な案件が中心
自身のスキルや経験に自信があり、ある程度単価の高い案件を狙いたい方はこういったサービスにトライしてみましょう。
ここ数年で非常に多くのサービスがうまれており、それぞれ特徴があるので複数のサービスに登録をしてみてご自身の希望にあったマッチングサービスを見つけるのがポイントです。例えば、「マーケティング特化」「人事特化」など特定の職種に特化したサービスもありますし、「アドバイスのみ」「作業も実施」など業務領域もサービスによって異なります。
エージェントサービス
エージェントサービスは、企業と候補者が直接マッチングされるのではなく、エージェントが間に入ってマッチングをするサービスです。
登録後、履歴書や職務経歴書などを提出し、エージェントの担当者と面談を実施します。希望に合致する案件があれば、クライアントとエージェントと候補者の三者で面談を行い、お互いに希望や条件が合致すれば受注となるのが基本的な流れです。エージェントサービスで取り扱われる案件は、比較的単価が高く、契約期間も数ヶ月以上など比較的長期のものが多くなっています。
上記のクラウドソーシングや案件のマッチングサービスであれば、一度失敗をしてもまた他の案件に応募を繰り返せば良いのですが、エージェントサービスの場合一度でもエージェントに対して悪い印象を与えてしまうとその後案件が全く紹介されなくなる可能性もあります。クライアントとの面談だけでなく、エージェントとの面談も一つ一つ丁寧に行なっていくことがエージェントサービスでの案件獲得のポイントになります。
スキル販売サービス
スキル販売サービスは、上記のサービスのように案件に対して応募をするのではなく、ご自身のスキルを商品として値付けをして販売をできるサービスです。
単発での仕事依頼が多いクリエイティブ系の職種の方と相性がよいサービスと言えます。こちらもいくつかサービスが存在しているので、自身の職種とあったサービスを選ぶのがポイントです。
また、大手のサービスでは新規に販売をしても競合が多くなかなか見つけてもらいづらいため、特定の領域に特化して差別化をしていくとよいでしょう。例えば「バナー制作」ではなく「食品ECサイト用のバナー制作」などにサービスの領域を絞るイメージです。クラウドソーシング同様に最初は低価格で販売をして評価やレビューを蓄積するという作戦もありでしょう。
②人脈(知人、友人、過去の同僚など)経由

フリーランスや副業をされている方の案件獲得経路として実は多いのが、知人・友人からの紹介です。
知人や友人、過去の仕事仲間からの依頼を増やすには、まず自分がフリーランスや副業で活動していることを知ってもらうことから全てが始まります。フリーランスとして独立する際には知人や友人に挨拶をしたり、副業で行なっている活動内容をSNSで発信したりするなど、地道な発信が、のちのちの案件につながる可能性があります。
そもそも「自分には仕事につながる人脈がない」という方もいらっしゃると思います。そのような方は、イベントやコミュニティへの参加で人脈を広げるところから始めてみてもよいでしょう。
イベント・交流会での人脈拡大
イベントに参加して人脈を作ることで、案件の受注に繋がるケースは多々あります。
フリーランスや副業をしている人同士のイベントであれば、そこで知り合った人が自身で対応しきれていない案件を紹介してくれることもあります。異業種交流会であれば、例えばデザイナーからマーケティングに関する案件を請け負うなど、その人自身では対応が難しいジャンルの依頼に繋がることもあるでしょう。
また、自身のクライアントになりそうな企業が主催するイベントへ参加するのもおすすめです。参加者同士の交流時間にクライアントになりそうな企業や人と繋がることで、営業のチャンスが生まれます。
③自身で営業

企業では、サービスや商品を売るために面識がない会社や個人に対しても営業をかけます。フリーランスや副業も売り込みをする必要があるのは同じです。今一度基本に立ち返り、営業をかけてみるのも一つの選択肢です。
Webサイト経由での営業
「どうしてもこの会社で働きたい」「このクライアントと一緒に仕事をしたい」など、仕事をする環境や人に強いこだわりがある場合は、その企業に対して直接営業をかけてみるのも手です。
直接営業をかける場合は、まずは企業の採用ページをチェックしましょう。新卒採用や中途採用の他に「パートナー採用」「外部スタッフ募集」などの記載があり、自身の職種を募集しているようであれば応募してみましょう。記載がない場合は、問い合わせフォームやメール、電話などでコンタクトを図ってみてください。すぐに結果が出る手法ではないので、ある程度根気強く行う必要があります。
ただし、こういった営業を好まない会社がいるのも事実なので、しつこい営業など悪い印象を与える行為は避けるようにしましょう。
SNSでの営業
TwitterやInstagramなどのSNS経由で営業をかけることも可能です。気になるアカウントを見つけたらフォローしてみましょう。勇気がいるかもしれませんが、ツイートにコメントしてみると返事が来るかもしれません。さらに相互フォロー状態になれば、直接メッセージをやり取りできるようになるので、営業をするチャンスです。
ただし、SNSをビジネス目的で使っていない人も多いので、相手にとって不快な思いをさせないよう、SNSでの営業についても注意が必要です。
④インバウンドでの依頼

「インバウンドでの依頼」というのは、クライアント側からくる仕事の依頼や問い合わせのことです。自ら営業をかけなくても依頼や問い合わせが舞い込んでくるのであれば、それに越したことはありません。しかし、仕事の依頼が勝手に来るような状態を生み出すには、十分な実績や、優れたポートフォリオ、独自の専門領域が必要となるため決して容易ではありません。
SNSでの依頼
上では営業の手段としてSNSを紹介しましたが、逆にSNS上で仕事の依頼が来ることもあります。
SNSで仕事の依頼をもらうためには、自身の職種にあったSNSで十分な情報発信を行っていくことが重要です。たとえばカメラマンであればInstagramで自身の撮影した写真を投稿する。ライターであれば自身の執筆した記事をnoteで投稿するなどです。
また、SNSのプロフィールで、仕事募集中であるということを明記することや、自身の得意領域をしっかりと伝えてブランディングをすることも重要になります。
ブログ・ポートフォリオサイト経由の依頼
イラストレーターやカメラマン、デザイナーなどクリエイティブな職種の人はWeb上のポートフォリオを見た人から仕事の依頼が来るのは珍しいことではありません。
クリエイティブな職種でない人でもブログで実績や仕事について発信し、自身のことを知ってもうことで案件の受注に繋げることはできます。
ただし、ブログやポートフォリオのサイトは世の中に無数に存在しているため、漫然と更新をするだけではなかなか人の目に触れる機会がありません。更新した内容をSNSに投稿したり、SEO対策で検索からの流入が得られるようにするのが重要です。
SEO対策をする際には、自身の得意領域に注力してニッチなキーワードで流入が得られるようにするのがポイントです。例えば、フォトグラファーであれば「 〇〇県 〇〇市 食品写真 フォトグラファー」のようなキーワードで上位に表示されることを意識してポートフォリオサイトを作っていくイメージです。
仕事を獲得するためのポイント

ここまでフリーランス・副業案件の仕事獲得の代表的な方法を記載しましたが、最後に経路がどこかを問わず重要になって来る基本的なポイントを3つご紹介します。
多くのサービスやコミュニティに登録する
仲介WEBサービスやコミュニティへの参加など、フリーランスや副業案件を探す方法はさまざまです。どのサービスを使えば良いか、迷うこともあるでしょう。迷ってしまった場合は、まず登録・参加することをおすすめします。実際に利用してみることで相性の善し悪しや続けやすいものが分かるはずです。
特に仲介WEBサービスやエージェントなどは、Webサイトを見るだけでは実際にどのような案件が流通しているのか分からないケースもたくさんあります。実際に登録をして、案件を検索してみて気になるものがあれば応募してみましょう。
プロフィールを磨き込む
仲介サービスを使うにしても、直接問い合わせを受けるにしても「プロフィール」は重要です。人材探しをするクライアントやエージェントは、プロフィールを見て声をかける、採用するなどの判断をしています。採用側の目にしっかりと留まるように、自身のスキルや経験を書いておきましょう。
仲介サービスを利用しているのであれば、その中で上位のフリーランサーの自己紹介を参考にするのも手です。同じ職種のトップフリーランサーがどのようなプロフィールを作っているか研究して見ましょう。
クライアントやエージェントとのやりとりはスピーディーかつ丁寧に
クライアントやエージェントは同時並行で複数の候補者に声をかけています。また、複数の候補者から応募を得ています。このため、案件希望者からの返信が遅い場合は「脈がない」と判断されて他の候補者を優先するケースがあります。クライアントやエージェントからの連絡には、可能な限りスピーディーに返信しましょう。
丁寧なコミュニケーションを心がけることも大切です。クライアントやエージェントは、コミュニケーションの図り方も含めて案件希望者を評価しています。例えばクラウドソーシングサービスであれば、「取りあえず」複数の案件に応募をしているユーザーがいます。募集内容をしっかりと読まずに応募をしてくる人もいます。このような中で、応募時のコメントやコミュニケーションが丁寧であれば、それだけで一歩抜きん出ることができるかもしれません。
まとめ
フリーランスや副業の仕事探しに役立つサービスと、案件獲得におけるポイントについて解説しました。フリーランスとして成功するには案件の受注獲得は必須条件です。この記事で紹介をした手段を試しつつ、自分に合った仕事探しの方法を見つけて、たくさんの受注を勝ちとりましょう。