
近年、コストを抑えつつ優秀な人材を確保できる手法として注目を集めているリファラル採用。厚生労働省の「企業等の採用手法に関する調査研究」にもあるように大手企業でも積極的に活用されている様子が伺えます。
しかし、うまく運用できなかった場合、社内トラブルや組織の混乱を招くリスクも指摘されています。
「知人紹介だから安心」と思い込んで進めた結果、思わぬミスマッチや評価トラブルに発展し、かえって組織の一体感を損なうケースも少なくありません。本記事では、リファラル採用が「やばい」と言われる背景や、実際に起きた失敗事例を徹底解説します。
リファラル採用について導入前に知っておきたい注意点を理解し、トラブルを未然に防ぐためのヒントをお届けしますので是非最後までご覧ください。
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目次
【基礎知識】リファラル採用とは
リファラル採用とは、社員や取引先など企業関係者からの紹介を通じて候補者を募る採用手法を指します。一般的な求人広告や人材紹介サービスを利用せず、自社のネットワークを活用する点が特徴です。
紹介者が企業の業務内容や求める人物像を理解しているため、適性の高い人材にアプローチできる可能性が高まるというメリットがあります。また、採用活動にかかる広告費や紹介手数料などを抑えられることから、コスト面でも効率化を図れる方法として注目を集めています。
近年では、リファラル採用を正式な制度として導入し、紹介にインセンティブを設ける企業も増加している状況があります。
新規採用方法としてアルムナイ採用も注目
近年、リファラル採用と並び注目されている新たな採用手法として「アルムナイ採用」があります。アルムナイ採用とは、過去に自社で勤務していた元社員を再び雇用する方法を指します。
人材の流動化が進む中、企業文化や業務理解がある即戦力人材を効率的に確保できる手段として、多くの企業が導入を進めています。元社員であるため、入社後の適応がスムーズで、定着率が高い傾向にあることが大きなメリットとされます。さらに、他社で培ったスキルや経験を持ち帰ることで、自社に新たな知見やイノベーションをもたらす効果も期待されている採用方法です。
【デメリット】リファラル採用がやばいと言われる理由
リファラル採用がやばいと言われる理由、リファラル採用のデメリットについて解説します。
- 紹介者の主観でミスマッチが起きるリスク
- 不採用時に紹介者との関係悪化の恐れ
- 紹介者と応募者の同時退職リスク
- 優遇による社内不公平感と士気低下
- リファラル報酬制度の設計ミスによるトラブルリスク
- 社員の協力不足でリファラル制度が形骸化する懸念
それぞれ詳しく解説しますね。
リファラル採用がやばい理由①:紹介者の主観でミスマッチが起きるリスク
リファラル採用では、紹介者の個人的な印象や経験に基づき、推薦されるケースが大半です。そのため、企業側が求めるスキルセットや組織文化とのフィット感にズレが生じるリスクが存在します。
紹介者が「優秀」と感じる基準はあくまで主観であり、実際の業務要件とは必ずしも一致しない場合があります。また、成長フェーズにある企業や業務内容が流動的な職場では、必要とされる能力が短期間で変わることも珍しくありません。そのため、紹介時点では条件に合っていた人材でも、入社後には適応できない可能性も出てきます。
リファラル採用だからといって特別扱いするのではなく、通常採用と同様に客観的な選考基準と多面的な評価を行う必要があります。紹介者の期待に引っ張られず、冷静に候補者を見る体制づくりが不可欠と言えます。
リファラル採用がやばい理由②:不採用時に紹介者との関係悪化の恐れ
リファラル採用において、不採用時の対応は非常に繊細な問題となります。紹介者は、自分が信頼して推薦した人物を不採用にされることで、その方との関係性が悪化してしまうリスクがあることに加え、自社の採用について不信感を持つこともあるでしょう。特に、紹介者と応募者との関係性が強い場合、その影響は大きくなります。
紹介者が不信感を抱えたまま働き続けると、社内コミュニケーションがぎくしゃくするだけでなく、業務への意欲低下を引き起こす可能性も否定できません。
リファラル採用を成功させるためには、不採用に至った理由を適切に伝え、紹介者の理解と納得を得るプロセスを丁寧に行う必要があります。紹介者の立場に配慮しながら誠実に対応することが、社内の信頼関係を守るためには欠かせません。
リファラル採用がやばい理由③:紹介者と応募者の同時退職リスク
紹介者と紹介された応募者が、強い絆で結ばれている場合には、どちらか一方の退職が連鎖反応のようにもう一方にも波及するリスクがあります。この現象は、とくにチーム内の結束が強い場合に起きやすいです。
たとえば、応募者が職場に不満を抱いて離職を決意した際、紹介者もその影響を受け、「自分もそろそろ潮時だ」と感じるケースは散見されます。特別な関係性があるからこそ、片方の決断がもう一方に大きく作用してしまうのです。
このようなリスクを防ぐためには、紹介された応募者だけでなく、紹介者自身へのフォロー体制を整えておくことが重要です。個々のキャリア意識や就業満足度を継続的に把握し、双方を独立した存在としてケアする視点が求められます。
リファラル採用がやばい理由④:優遇による社内不公平感と士気低下
リファラル採用制度を導入する際、紹介者へのインセンティブや特別待遇を設ける企業も少なくありません。しかし、このような優遇措置は、周囲の社員に不公平感を生じさせ、組織の一体感を損なうリスクをはらんでいます。
特に、日常業務で成果を上げている社員が報われていないと感じた場合、不満が蓄積し、士気低下につながる可能性があります。「紹介すれば評価されるが、通常業務では評価されにくい」という印象を持たせてしまうと、社内に無用な分断を生みかねません。
リファラル採用のメリットを活かしつつも、社内の公平性を守るためには、紹介制度と通常の人事評価制度を明確に切り分け、誰もが納得できるルール設計を行うことが不可欠です。
リファラル採用がやばい理由⑤:リファラル報酬制度の設計ミスによるトラブルリスク
リファラル採用を促進するために、紹介報酬制度を設ける企業は増加しています。しかし、その制度設計に不備があると、社員との信頼関係にひびが入り、深刻なトラブルに発展するリスクがあります。
たとえば、報酬の支給条件が曖昧だったり、実際の運用が社内で周知されていなかったりすると、社員側に「騙された」という感情が生まれてしまう恐れがあります。また、報酬額が高すぎると、動機が金銭目的に偏り、紹介の質が下がる懸念もあります。
適切な制度運用のためには、支給タイミング、対象条件、金額設定をすべて明文化し、社内ポータルなどでオープンに共有する必要があります。ルールの透明性と公平性を徹底することが、リファラル採用を健全に推進するポイントとなります。
リファラル採用がやばい理由⑥:社員の協力不足でリファラル制度が形骸化する懸念
リファラル採用制度を用意しても、社員が積極的に協力しなければ、制度が形だけの存在となり、成果を上げられないリスクが現実となります。制度を始めたものの、紹介件数が伸び悩み、結局は通常の求人手段に頼らざるを得なくなるケースも少なくありません。
社員が協力しない背景には、「紹介することが負担に感じる」「紹介後に責任を負わされるのではないか」という不安心理が隠れています。また、紹介によって自分の立場に悪影響が出ることを恐れる人もいます。
リファラル採用を形骸化させないためには、紹介活動が社員個人の評価に直結するものではないことを明確に伝え、心理的ハードルを下げる工夫が求められます。紹介しやすい空気づくりと、成功体験を積極的に共有することが制度定着への近道です。
【危険】リファラル採用の失敗事例
リファラル採用の具体的な失敗事例について、実際に企業で報告されたものをいくつか紹介します。
- スキル確認を怠り、短期離職に至った
- 不採用連絡後に紹介者が退職を申し出た
- 紹介した社員よりも優遇されたことで反発した
- リファラル制度の周知不足で紹介がゼロに終わった
- 紹介報酬トラブルから社内不信が拡大
順番に見ていきましょう。
失敗事例①:スキル確認を怠り、短期離職に至った
あるIT企業では、リファラル採用で紹介されたエンジニアを、ほぼ無面接で即採用。紹介者は長年の友人であり、スキルについても「大丈夫」と太鼓判を押していたためです。しかし、実際にプロジェクトにアサインしてみると、基本的なプログラミングスキルが業務レベルに達していないことが発覚。
リーダー層が本人に研修を重ねたものの、業務への適応が進まず、本人もチームに対して居心地の悪さを感じ、わずか2か月で自主退職に至りました。採用コスト、教育リソース、プロジェクト進行に与えた遅延の影響は小さくありませんでした。
紹介者の信頼だけでスキル確認を省略するのは大きなリスクであり、リファラル採用でも通常の選考プロセスは不可欠であることが痛感された事例です。
失敗事例②:不採用連絡後に紹介者が退職を申し出た
ある中堅メーカーでは、営業職でリファラル採用を活用していました。ベテラン社員が推薦した元同僚が書類選考を通過したものの、最終面接で「主体性が不足している」と判断され、不採用に。企業側は通常通り不採用通知を行いましたが、紹介者には事前連絡や説明が一切なされなかったのです。
これに対して紹介者は「自分の判断を否定された」「会社から信頼されていない」と受け取り、数日後に退職を申し出ました。最終的には慰留もかなわず、優秀な社員の離脱を招いてしまいました。
紹介者へのフォロー不足や、期待値調整を怠ることが、企業にとって大きな損失を生むリスクとなることが顕在化した事例です。
失敗事例③:紹介した社員よりも優遇されたことで反発した
とあるメガベンチャー企業では、リファラル採用で入社したエンジニアに対して、紹介した社員よりも年収100万円高い条件を提示していました。これは市場価格に合わせたオファーでしたが、紹介した社員には事前説明がなかったため、不公平感を強く持たれることに。
紹介者は「自分は長年貢献してきたのに、なぜ新入りの方が高待遇なのか」と不満を募らせ、次第にモチベーションが低下。周囲にも影響を与え、チーム全体の雰囲気が悪化しました。半年後には紹介者自身が退職し、採用した新入社員も居心地を悪くして早期に退職するという結果に。
リファラル採用における待遇設定は、既存社員への影響を十分に配慮しなければ、組織全体を揺るがすリスクを孕むことを示した事例です。
失敗事例④:リファラル制度の周知不足で紹介がゼロに終わった
地方の中小企業では、リファラル採用を導入したものの、社内告知が一度メールで送られただけという状態でした。紹介フローの詳細も不明確で、誰にどのように紹介すればいいか分からないまま数か月が経過。社員からの紹介件数はゼロに終わりました。
さらに、制度が存在していることすら新入社員には伝わっておらず、「そんな制度があるなら知りたかった」と後から苦情が寄せられる事態にも発展しました。採用担当者も途中で手が回らなくなり、リファラル採用自体が自然消滅しました。
リファラル採用制度は「作っただけ」で回るものではなく、社内への継続的な周知と、紹介活動を後押しする仕組みづくりが不可欠だと痛感させられる失敗例と言えます。
リファラル採用は慎重な制度設計が大前提
リファラル採用は、社員の紹介を通じて信頼できる人材を確保できる手段として注目されていますが、制度設計には極めて慎重な対応が求められます。先述の通り紹介者の主観に依存しやすく、適性評価が甘くなるリスクが常に存在するためです。
特に、専門性の高いポジションの場合、そのリスクはさらに高まります。専門スキルや経験値は外部から見えにくく、紹介者自身も正確に判断できないことが多いため、期待と実力にギャップが生じやすくなります。
仮にミスマッチが発生すれば、業務停滞や早期離職に直結し、組織への影響も甚大です。リファラル採用を成功させるためには、紹介であっても通常の選考と同等以上に厳格なスキルチェックと適性評価を行い、公平な基準で判断する体制が不可欠と言えます。制度運用においても透明性と一貫性を徹底しなければなりません。採用失敗は、結果的に大きなコストと組織ダメージを招きかねないのです。
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【失敗】リファラル採用がやばいと言われる理由:まとめ
リファラル採用は、コストを抑えながら信頼できる人材を確保できる手法として注目されていますが、制度設計や運用を誤れば、大きなトラブルや失敗を招くリスクが存在することも事実です。
紹介者の主観によるミスマッチ、不採用時の社内関係悪化、待遇格差による不満、制度の形骸化、紹介報酬トラブルなど、リファラル特有の問題に十分注意しなければなりません。特に、専門性の高いポジションでは適性見極めの難易度も上がるため、慎重なプロセス管理が求められます。
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