フリーコンサルタントとしての独立 – 失敗しないための方法は?

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フリーコンサルとして独立。失敗しないための方法は?

「コンサルタントとして独立したい!」と考えたとき、「年収が下がってしまうかも…」「どうやって仕事を取ってくればいいのだろう?」と不安に思う方は多いでしょう。フリーコンサルタントになって成功するには、事前の情報収集と適切な準備が不可欠です。今回は、フリーコンサルタントの概要と独立するメリット・デメリット、よくある失敗事例、おすすめの案件獲得方法について解説します。

目次


フリーコンサルタントとは

フリーコンサルタントとは、企業に所属せずに個人でコンサルティングサービスを提供する人を指します。正社員の場合は会社に入社したときに雇用契約を結び、就業規則に従って給与や賞与などが決まります。一方でフリーコンサルタントは、企業との雇用関係はありません。個別のプロジェクト単位で契約を交わし、仕事の範囲や報酬などの条件を決めます。働き方の自由度が高いのが特徴ですが、自ら案件を獲得する力がなければ仕事がもらえないという側面もあります。

フリーコンサルタントの年収

フリーコンサルタントの年収は、コンサルティングファームなどに正社員で所属する人に比べると、およそ1.2倍~1.5倍ほどと言われています。もちろん、実務経験の豊富さや契約する企業のプロジェクトごとに単価は変動しますが、例えば正社員で現在の年収が700万円~1,000万円程度の人であれば、独立してフリーコンサルタントになると年収850万円~1,500万円ほどを得られる可能性があります。

以下の記事では、フリーコンサルタントエージェント各社で紹介されている案件の例を掲載しています

フリーコンサルタントのマッチング案件紹介サービス18選

これらを見ると多くの案件の単価は80〜150万円/月程度の幅の中におさまります。年収に換算をすると960〜1800万円ということになり、上述の年収850万円~1,500万円という数値とも近い値になります。

一点注意すべき点としては、フリーランスの場合は年収の中から事業に必要な経費や社会保険料などを支出する必要があるので、正社員の場合よりも手取り額が少なくなる可能性が高いです。以下の記事なども参考にしてください。

年収1000万円のフリーランスの手取り・税金はいくらか? 消費税はどのくらいかかる?

フリーコンサルタントとして独立するメリット

フリーコンサルタントとして独立するメリット

フリーコンサルタントとして独立するメリットは、主に次の3つです。

  • 案件を自分で選べる
  • 働く時間を自由に調整できる
  • 自分の裁量で仕事をするのでやりがいがある

以下で詳しく解説します。

案件を自分で選べる

フリーコンサルタントと正社員コンサルタントとの大きな違いは、自分で案件を選んで受注できる点です。企業に所属していると、あまり得意でない領域の業務もこなさなければならない場面は多くあります。しかし、フリーコンサルタントは自分の得意分野とスキルにマッチした案件のみに集中できます。持っているスキルをますます伸ばすことができれば、より高度な案件に挑戦でき、クライアントからの需要が高まるという好循環も期待できるでしょう。

働く時間を自由に調整できる

どのような案件を受けるかにもよりますが、働く時間や場所を自分で選択できることも、フリーコンサルタントになるメリットの一つです。個人として企業の経営者から直接依頼を受けるような案件の場合、比較的自由度が高い働き方が許容されます。家族の予定に合わせて稼働時間を決めることもできますし、休日のタイミングも自分次第です。一方で、コンサルファームの一員として稼働するような案件に参画をすると、フリーコンサルタントとは言いつつも稼働時間がしっかりと決められていて自由な働き方ができないケースもあるので注意が必要です。

自分の裁量で仕事をするのでやりがいがある

フリーコンサルタントは、正社員コンサルタントに比べて自分の裁量でできる仕事がぐんと増えます。正社員では上司や同僚とともにチームで業務にあたるため、「この領域に挑戦したい」と思っても、人員配置の関係上それが叶わないこともあります。フリーコンサルタントはクライアントと直接やりとりをして、自分自身の判断で提案をすることできます。これまで自分が培った経験と知識の総合力で案件にあたることから、そのやりがいはとても大きいでしょう。ただし、これもどのような案件を受託するか次第です。チームの一員として案件を受託するようなケースでは、正社員の場合とあまり変わらない、もしくはそれよりも裁量が小さくなる可能性もあるので注意しましょう。

フリーコンサルタントとして独立するデメリット

フリーコンサルタントとして独立するデメリット

フリーコンサルタントとして独立するデメリットは、次の3つです。

  • 仕事がなくなる危険性と隣り合わせ
  • 確定申告などのバックオフィス業務を行う必要がある
  • 常に学び続ける姿勢が不可欠

こちらも詳しくみていきましょう。

仕事がなくなる危険性と隣り合わせ

フリーコンサルタントは、案件が獲得できなければ当然ながら収入はゼロです。駆け出しの頃は収入が安定しないことも多く、常に仕事がなくなるリスクと隣り合わせであることは理解しておきましょう。仕事の絶えないフリーコンサルタントになるには、うまく自分を売り込む方法を身につける必要があります。今の時代はSNSを活用した情報発信も重要です。また、新規営業と既存案件の納品を同時並行するスキルも磨いていく必要があるでしょう。

確定申告などのバックオフィス業務を行う必要がある

フリーコンサルタントは個人事業主ですので、確定申告などのバックオフィス業務もすべて自分でこなさなければなりません。もともと経営コンサルなどをされている方であれば、会計業務や契約業務などにはそこまで苦手意識がないという方も多いでしょう。しかし、自分でもできるからと言ってバックオフィス業務に時間をかけてしまい、本来のコンサルティング業務に割ける時間が少なくなるのは本末転倒です。コンサルティング業務だけに集中したい人は、オンライン秘書を雇うなどして業務負担を減らす工夫をしましょう。

独学で学び続ける姿勢が不可欠

正社員コンサルタントは周囲に仕事を教えてくれる上司や先輩がいて、会社が用意する社員研修などの学習機会も定期的にあり、学ぶことをそれほど意識していない人も多いかもしれません。しかし、フリーコンサルタントになると、自分で新しい情報を取りにいって学び続ける姿勢を持つ必要があります。知識やスキルを増やさなければ仕事の幅が広がらず、案件を獲得できない・収入が減るといった事態を招きます。知力や情報で勝負をするコンサルタントだからこそ、いつもアンテナを張り巡らせておく姿勢が大事です。

フリーコンサルタント独立時のよくある失敗

フリーコンサルタント独立時のよくある失敗

フリーコンサルタントとして独立したあと、よく陥りがちな失敗にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で3つご紹介します。

無料で相談に乗ってしまう

案件獲得への第一ステップとして、「初回のみ相談無料」といった営業手法をとるフリーコンサルタントは一定数存在します。確かにクライアントから見れば便利なサービスですが、実際に案件を獲得して無料相談分の報酬を回収できるとは限りません。また、初回が無料であれば案件全体の単価も安く買い叩かれてしまう可能性もあります。長い目で見るとフリーコンサルタント自身が安い報酬で働いて消耗する原因となりますので、無料相談はしない方が無難です。コンサルティングのプロとしてクライアントの役に立ちたいと思うなら、しっかり報酬を受け取り、それに見合う仕事を提供しましょう。

強みや専門性がうまくクライアントに伝わらない

正社員コンサルタントは、会社という看板とブランド力によって、クライアントに「この会社なら安心して任せられそうだ」と信頼感を与えやすいのが特徴です。一方でフリーコンサルタントは個人で活動するため、組織という後ろ盾がないことから、自分の強みを発揮できる分野や専門性がクライアントに伝わりにくい課題があります。専門性や実績・評価などを日頃からしっかりと情報発信することはもちろん、自分の持つスキルが市場で本当に評価されるものなのかを独立前に客観的な視点で検討することも重要です。

自己管理ができず納期に遅れてしまう

フリーコンサルタントは一人で業務をこなすため、スケジュール管理が仕事の成否を分ける重要なポイントとなります。特に複数のプロジェクトを並行で進める場合、多忙のあまりクライアントとの約束を忘れたり納期に遅れたりしてしまうと、その一度のミスですべての信頼を失うこともあり得ます。約束をリマインドしてくれる上司や同僚はいないため、フリーコンサルタントとして独立する前に時間管理・スケジュール管理法をしっかりと身につけておくとよいでしょう。

フリーコンサルタントとして独立前に準備すべきこと

独立してフリーコンサルタントになる際、いくつか準備しておくべきことがあります。しっかり把握して、いざ独立するときに慌てないようにしましょう。

知識・スキルをしっかりと身につける

フリーコンサルタントになる前に、現在の正社員コンサルタントの立場で知識・スキルを着実に蓄積しておくことをおすすめします。なぜなら、フリーコンサルタントは組織の看板がなく、個人の経験・知識・実績・ノウハウのみで勝負する必要があるからです。論理的思考力や調査・分析力、コミュニケーション能力などの案件遂行に最低限必要なスキルはもちろん、独立後に積極的に獲得したいと思う分野の知識についても学びを深め、自分一人で業務を進められる状態を目指すと良いでしょう。

人脈を広げる

正社員コンサルタントは社内外に多くのステークホルダーがおり、様々な人と関わりながら仕事を進めます。一方でフリーコンサルタントは個人で案件を受けるため、気軽に相談できる人がおらず行き詰まりを感じる場合も少なくありません。普段から人脈を広げる意識を持ち、イベント・セミナーへの参加やSNS発信などを積極的に行っていると、独立後にも相談相手がいなくて困るということを避けられます。また、人脈があるとそこから案件を受注できる可能性も広がるため、時間を作って様々な場に出かけることが大事です。

フリーコンサルタント独立時の案件獲得方法

フリーコンサルタントが案件を獲得するには、主に2つの方法があります。ぜひ自分に合った方法を選択してください。

人脈を活用した案件獲得

フリーコンサルタントの案件獲得方法の一つに、独立前に広げた人脈をもとに仕事を受注する手段があります。以前働いていた会社の上司・同僚や、友人・知人のつながりを活用することに加え、セミナーや交流会などの学びの場で出会った人との人脈を活かす方法もあります。フリーコンサルタントとして独立した際は周囲の人に積極的に連絡して「仕事があればぜひ声をかけてほしい」とアピールしましょう。

エージェントの活用

フリーコンサルタント専門のエージェントを活用するのも、案件獲得に有効な方法です。エージェントに登録すると担当者がついて、希望の案件をヒアリングしてくれます。スキルや実績をもとに最適な案件を紹介してくれるだけでなく、クライアントとの交渉・契約などの細かな作業を代行してくれる場合もあり、コンサルティング業務のみに集中できるメリットがあります。ハイクラス人材のみや特定分野に特化したエージェントなど、それぞれ紹介する案件に特徴があるため、自分に合うエージェントはどこかあらかじめ調べておくとスムーズです。

フリーコンサルタントのマッチング案件紹介サービス18選

まとめ

フリーコンサルタントとして独立すると、年収アップをしながら得意分野の案件を選べたり、自由な働き方の実現、自分の裁量でできる範囲が広くやりがいが増すなど、多くのメリットがあります。一方で、案件獲得に失敗すると収入がゼロになる危険性があること、営業活動と事務作業を並行して行う手間の発生といったデメリットも存在します。フリーコンサルタント専門のエージェントを活用すると案件探しのハードルはぐっと下がるため、ぜひ検討してみてください。

この記事の監修者

Anycrew Blog 編集部

フリーランス・複業・副業など個人で働く方と企業のマッチングプラットフォームAnycrewを開発するエニィクルー株式会社のメンバーです。

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