近年、働き方は多様化しており、「自分にはどのような働き方が適しているのか?」「人材を採用する際にはどのような形態が適しているのか?」という疑問を抱えている方も多くいらっしゃると思います。
この記事では、「フリーランス」と「派遣」という働き方に注目して、その違いや、それぞれのメリット、デメリットについて解説していきます。
目次
フリーランスの特徴
フリーランスとは、企業や団体に属さず、個人で仕事を請け負う働き方のことを指します。
会社と雇用契約を結ぶのではなく、業務委託契約を結んで仕事の受発注を行うのが特徴です。
働く場所や時間の自由度が高く、なおかつ高収入を目指せるということもあって、近年では多くの方から注目を集めています。
主に下記の職業の方がフリーランスとして働くことが多いですが、近年ではさまざまな職種でフリーランサーが増えています。
- エンジニア
- デザイナー
- ライター
- カメラマン
「フリーランス」と「業務委託契約」については以下の記事もご参照ください。
派遣の特徴
派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、人材を必要としている企業に派遣されて働くスタッフのことです。
派遣社員は1つの企業で最短1か月~最長3年間勤務できます。
非正規雇用の一種ではありますが、派遣会社に希望を伝えることで、業務内容や働く期間、働く場所などをある程度希望に沿って選択することができます。
また、勤務時間が明確に決まっているため、残業が発生にくいという特徴もあります。
上記のような理由から、「一つの職場に縛られず色々な職場で色々な人と働いてみたい」「プライベートを大事にしたい」という方に人気の働き方でもあります。
フリーランスと派遣の違い
では次に、フリーランスと派遣の違いについて、下記の4つの点に分けて詳しく見ていきましょう。
- 契約形態
- 働き方
- 報酬・納税方法
- 仕事の獲得方法・収入の安定性
契約形態の違い
フリーランスと派遣は契約形態が違います。
先ほども解説したように、フリーランスは「業務委託契約」に基づいて働くのが一般的であり、一方の派遣は「派遣契約」となります。
業務委託契約と労働者派遣契約を表で比較すると下記のとおりです。
業務委託契約 | 派遣契約 | |
概要 | 委託者が委託先に何らかの業務を委託する契約 | 契約者が相手方に労働者の派遣を約束する契約 |
雇用形態 | 委託先は独立した事業者 (委託者と委託先に雇用関係はない) | 労働者は派遣会社と雇用契約を結ぶ |
雇用主 | 自分自身 (委託者と委託先に雇用関係はない) | 派遣会社 |
労働条件 | 業務委託契約で取り決めた条件に従う | 派遣会社が設定 |
労災保険・社会保険 | 委託先が自身で加入してもよい (加入義務はない) | 派遣会社に加入義務がある |
指揮命令権 | 委託先が自主的に業務を遂行する | 派遣先が一定程度の指示をできる |
労働法の適用 | 適用されない | 適用される |
働き方(働く場所や時間)の違い
フリーランスと派遣は、働き方にも違いがあります。
フリーランスは、基本的には、勤務場所、時間の制限を受けません。もちろん例外もありますが、業務委託契約で定めた業務の遂行、成果物の納品をしっかりと行えるのであれば、基本的にはいつどこで仕事をしても問題ないのです。
一方、派遣は、派遣会社から指示された企業に出社して仕事を行います。また、勤務時間も決められているため、自分でその日の勤務時間や仕事量を自分自身で決めることはできません。
報酬・納税方法の違い
フリーランスと派遣は、契約形態が違うため、報酬にも違いが出ます。
フリーランスは、給与ではなくその案件に対する「報酬」を受け取ることになります。
報酬形態は契約次第ですが、基本的には契約に定められた成果物の納品、業務の遂行に対して報酬が支払われる形になります。
業務委託で得られる所得は事業所得という扱いで、確定申告をして自分で納税する必要があります。
一方、派遣は派遣会社と雇用契約を締結するため、報酬ではなく勤務時間に基づいた一定の「給与」を受け取る形になるのです。
基本的には派遣会社が年末調整を行うため自分自身で確定申告をする必要はありません。
仕事の獲得方法・収入の安定性の違い
フリーランスと派遣では、仕事の獲得方法が違います。結果収入の安定性も異なります。
フリーランスは企業や団体に所属するわけではなく、個人で仕事を請け負います。自らクライアントに対して営業を行って案件を獲得しなければなりません。そのため、案件が獲得できなければ、収入が0円になってしまうこともありえます。
派遣の場合は、派遣会社が派遣先から仕事を獲得してくる形になります。フリーランスとは違い、自分自身でクライアントに対して営業をしたりする必要はありません。派遣会社が仲介をしている分、収入の安定性が高い働き方と言えます。
いずれの働き方も契約を途中解約されてしまうリスクはありますが、派遣契約が中途解約された場合、派遣会社は派遣社員の新たな就業先の確保をする義務があります。それが難しい場合には、休業手当を支給することが求められており、フリーランスと比べると収入の安定度は高いと言えます。
フリーランスとして活動するメリットは?
では次に、フリーランスとして活動するメリットについて詳しく見ていきましょう。
自由な働き方を実現できる
フリーランスの最大のメリットは、自由な働き方を実現できることです。
契約内容次第ではありますが、基本的には出社の義務や決まった時間の勤務などは必要ありません。時間や場所にとらわれない働き方を求める人にとっては理想の働き方でしょう。
実力次第で収入を上げられる
フリーランスは、決められた勤務時間に対して一定の給与が払われるのではなく、成果物の納品や業務の遂行に基づいて報酬を受け取る業務委託契約が前提です。そのため、成果を出せばその分だけ収入を増やすことができます。
正社員や派遣社員では、成果を上げてもすぐに収入アップにつながらないこと多いですが、フリーランスは成果と報酬の連動性が高く、実力次第では、どんどんと収入を上げていくことができます。
人間関係のストレスが少ない
フリーランスは、1つのクライアントに縛られずに働くことができるので、人間関係のストレスも少ない傾向にあります。
人間関係に悩まされる会社員の方も多くいますが、原因の一つは特定のコミュニティと長期的に関わる必要があり、問題が発生してもそこから抜け出すことが難しいという点が挙げられます。
フリーランスは契約期間が定まっているため、難しい人間関係があったとしても、その契約期間中だけの問題として割り切りやすい部分もあり、人間関係のストレスは比較的少ないと考えられます。
フリーランスとして活動するデメリットは?
では次に、フリーランスとして活動するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
収入が不安定
フリーランスは、頑張り次第で収入を上げられる魅力的な働き方ですが、企業から固定給を受け取るわけではないため、収入は不安定になりがちです。
「先月は月収100万円を超えたが、今月は0円になりそうだ・・・」という状況もありえます。
受け身の方や安定志向の方にはあまりおすすめできない働き方です。
また、フリーランスには下記のような福利厚生がないという点も注意しましょう。
- 社会保険
- 健康診断
- 有給休暇
孤独を感じることもある
フリーランスとして活動すると、人に会う機会や人と話す機会が極端に減ります。
特にエンジニア、デザイナー、ライターといった何かを作る仕事をしている場合、1日中誰とも話さないということも少なくないでしょう。一人で仕事するほうが気楽な方でも、フリーランスとして働くとコミュニケーションが少なすぎて孤独を感じる場合があります。
手続きを自分で行う必要がある
フリーランスは正社員や派遣社員と比べて、行わなければいけない手続きが多いです。代表的なものは確定申告ですが、それ以外にも税金、保険などの手続きが必要になる場面が多いです。
派遣として活動するメリットは?
では次に、派遣のメリットについて詳しく見ていきましょう。
未経験からでも気軽にチャレンジできる
フリーランスは、案件に対する専門的な知識やスキル、経験が求められますので未経験から挑戦するというのは簡単ではありません。
一方、派遣の場合は未経験OK、初心者歓迎という求人もたくさんありますので、新しいことにチャレンジしたいと考えている方に最適と言えます。
実際に、派遣で様々な業種、業界の知識やスキルを身につけ、その後フリーランスとして独立した方もいます。そのため、自分の市場価値を高め、可能性を広げたいという方にもおすすめです。
福利厚生を受けられる
派遣は派遣会社と雇用契約を結ぶため、社会保険、健康診断、有給休暇などの福利厚生を受けられます。
育休や産休の取得も可能です。
派遣として活動するデメリットは?
では次に、派遣として活動するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
安定を手に入れるのが難しい
派遣は雇用期間に「上限3年」の制限がありますし、その前に雇い止めになる可能性もありますので、無期限雇用が原則となっている正社員に比べると安定性は落ちます。
ただし、派遣会社から毎月固定の給与を受け取れますので、フリーランスよりは安定を手に入れやすいです。
長期的にみて収入を上げるのが難しい
派遣社員は、短期的に見るとアルバイトや正社員よりも時給が高くなることもあります。
しかし、派遣は同じ職場で原則3年までしか働けませんので、重要な仕事を任されず、スキルアップしにくい傾向にあります。そのため、長期的に見ると、正社員と比べ給与は上がりにくくなります。
また派遣会社次第ではありますが、必ずしも成果に応じた昇給ができるわけではないので、フリーランスのように実力でどんどんと収入を増やしていくというのは容易ではありません。
フリーランスと派遣を掛け持ちするメリット、デメリット
近年では、フリーランスとして働いている方がリスクヘッジのために派遣として働いたり、派遣として働いている方が収入アップを狙うためにフリーランスとして働くケースが増えてきています。
以下、フリーランスと派遣を掛け持ちするメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
フリーランスと派遣を掛け持ちするメリットは、以下の3つです。
- 毎月固定の収入を得られる
- 新たなスキルや経験を得られる
- 社会保険に加入できる
フリーランスは安定を手に入れるのが難しいですが、派遣として働くことによって毎月一定の給与を得られるようになります。
また、派遣は未経験や初心者歓迎の仕事も取り扱っていますので、新たなスキルや経験を身につけて、それをフリーランスとしての仕事に反映させることもできるのです。
さらに、フリーランスは派遣として働くことによって社会保険に加入でき、保険料を半分派遣会社に負担してもらえるようになりますので、固定費の削減にも繋げられます。
デメリット
フリーランスと派遣を掛け持ちするデメリットは、以下のとおりです。
- 自由な時間が減る
- 体力的な負担が増える
- スケジュール管理が大変になる
フリーランスと派遣を掛け持ちすることによって、仕事量や仕事時間が増えますので、自由時間は減る傾向にあります。
同時に、体力的な負担も増えますので、体調不良のリスクも高くなってしまうのです。
また、自分が持っている仕事と派遣の仕事のスケジュール管理も難しくなります。
収入のために無理なスケジュールを組んでしまうと、双方の仕事に悪影響を及ぼす可能性が高くなりますので注意しましょう。
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まとめ
派遣とフリーランスは、自由度の高さという点では近い部分がありますが、ここまで説明をした通り大きく異なる働き方です。
それぞれのメリット、デメリットを踏まえて、ご自身が求める働き方を正しく選べるようにしましょう。
掛け持ちをすることで、両者の良い所取りができますが、コツや注意点を押さえておかないと、逆に自分自身を追い込むことにもなりますので慎重に検討していきましょう。